冬至・七草 ・ 一陽来復(いちようらいふく)

こんにちは!今日はクリスマス🎄
子供の頃、本気で信じていた私は、深夜に鈴の音を聞くという幻聴を引き起こしました。

12月22日は「冬至」でしたね。
柚子湯に浸かった方はいらっしゃるでしょうか。。
今、寒波や溶連菌などで警報が出ておりますので、季節の養生を取り入れて年末年始を元気に迎えたいものですね。

さて、今回は

・日本の七十二候で見る今ここ〜冬至・七草〜
・一陽来復とは
・寒邪と補腎の冬
・この時期のお助け漢方薬

といった内容になります。
ご興味のある方は、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

日本の七十二候で見る今ここ〜冬至・七草〜

冬至 初候 乃東草生ず(なつかれくさしょうず)
新暦ではおよそ 12月21日〜25日ごろ

冬至は一年で最も夜が長くなる日。
私はなるべく太陽と共に目覚めるようにしているのですが、冬は日の出が遅くなるので、自然と起きるのが遅くなります。冬至の日の夜は、猫と共に寝て遅起きしました。
猫って天然の湯たんぽですよね。

春と秋の七草はよく知られているのですが、冬の七草をご存知でしょうか?
冬至の行事としては、冬の七草と柚子湯。

冬の七草とは諸説ありまして、葱・白菜・大根・春菊・ほうれん草・キャベツ・小松菜といったお鍋に入れて食べるのにとてもいいものだったりします

今回ご紹介したい七草は「ん」のつく食べ物で構成されたこちら。

・な(かぼちゃ)
・れ
・ぎ
・に
・き
・か
・う(うどん)

これを食べる。
中でも、かぼちゃが使われることが多いです。
ビタミンやカロテン、カルシウムや鉄分などが豊富で栄養価が高く、長く保存できるため、昔から重宝されました。

また、柚子湯には、血行を促進して冷え性を緩和したり、体を温めて風邪を予防したりするほか、美肌効果もあります。柚子に含まれるヘスペリジン、クエン酸、ビタミンCなどの成分によって入浴効果が高まるからです。

柚子湯に浸かりながら「一陽来復、一陽来復(いちようらいふく、いちようらいふく)」と唱えると、一年中風邪をひかないともいわれています。

では、なぜ冬の七草は「ん」のつく食べ物なのでしょうか。

柚子湯に浸かりながら唱える、あの呪文のような言葉にはどんな意味があるのでしょうか・・

一陽来復とは

冬の七草の「ん」の秘密も、結局この一陽来復に由来します。

冬至は、一年で最も夜の長い時と初めに説明したと思います。

そこに、秘密があります。

ここに陰陽の太極図があります。

太極図は、陰陽論の法則を表しています。
いくつかある法則のうちの一つ、「陰陽消長(いんようしょうちょう)」というものに、一陽来復は由来します。

陰と陽は互いに干渉しあって存在しています。
表裏関係にあるからです。
白の割合が多くなれば黒の割合が小さくなっていきます。そしてその逆も。

冬至は、陰が極まった地点にあります。黒の割合がMAXの地点です。
しかしその黒の中に白い小さな丸が存在しているのが見えると思います。
白の極まった地点にも、黒い小さな丸が存在してますね。

これは、陰の中にも陽の元となるものがあり、陽の中にも陰の元となるものがあることを示しています。

つまり、陰の最も極まったところには、陽の兆しも同時にあるわけです。

冬至という時間帯は、これから陽に向かっていく、上昇していくことが約束されたタイミングとも言えます。
そしてこの日は「太陽が生まれ変わる日」とも考えられています。

ですから、このタイミングに運の上昇をかけて、験(ゲン)を担ぐのです。

冬の七草の「ん」のつく食べ物というのは、この「運(うん)」をかけているのです。
発音が近しいから・・と言われています。
運のつく食べ物を食べて、験を担ぐのです。

運気上昇と、無病息災を願う慣わしなのですね。

今からでも遅くないです!
まだ「ん」のつく食べ物を食べていない方、お鍋などでたくさんとって、精をつけてくださいね!

ちなみに私はうどんや小松菜を食べました✌️

寒邪と補腎の冬

前回の秋の邪に続き、冬の邪も存在します。

そうです。
まさにこの寒さによる邪、寒邪(かんじゃ)です。

学級閉鎖、学年閉鎖になっている学校もちらほらあるようですし、小さなお子さんのいるご家庭では、溶連菌に感染された親御さんからの相談も入ってきます。

今の時期は、とにかく風門(ふうもん)を守りつつ保湿も重要です。
↓↓ 風門については前回の記事をご参考ください。

そして、冬に弱りやすい臓器は「腎」
腎臓は現代医学でも代えのきかない臓器として知られています。

中医学では、「腎」は
・成長発育
・老化
・生殖器関係
・ホルモン
・髄(骨髄・髄海(ずいかい))=免疫関係や脳
・泌尿器関係

と関係が深く、「命門(めいもん)の火」と呼ばれる命の種火を守っている臓器とされています。

この種火が尽きた時、人は死ぬと考えられています。

だから、寒さに弱く、冬が苦手です。

厚労省が発表していますが、過去から一貫して夏より冬の方が死亡率(人口千対)が高くなります。
これはインフルエンザや寒暖差による血圧への影響だけでなく、中学的にはこの命門の火を守る臓器である腎が弱るからと考えられています。

ここからわかることは、逆に言えば、補腎(ほじん=腎を補い守ること)はアンチエイジングになるということも言えるのです。

補腎薬に使われる生薬は動物性のものが多く、腎を補うにはパワーが必要なことがわかります。
男性なら精子の質、女性なら卵子の質に直接影響してきます。

また、腎を補うことは一朝一夕にはいきません。
積み上げていくことが必要です。
だから、28歳過ぎたら全ての女性は補腎すべしと言われるくらいです。(男性より女性の方が精のピークが短いため)

ちなみに、お正月に食べる黒豆。
これは補腎する食材として有名です。豆はその形が腎臓に似ていることからも、補腎するものと捉えられてきました。

特に黒という色は、腎を司る五行の「水」のテーマカラーです。
本当は、黒ではなく深い深い海底の色みたいなイメージですが・・

ですので、黒キクラゲやひじきも補腎する食材とされています。

また、魚介ならエビ。肉なら羊肉です。どちらも体を温めてくれます。

あと一番有名なのは自然薯でしょうか。山芋。胃腸もケアできるので、これもおすすめです。

冬は鍋で一気に色々な食材を摂ることができますので、ぜひ補腎する食材を一つは取り入れてみてくださいね。

この時期のお助け漢方薬


涼解楽(りょうかいらく)

熱カゼ系の喉の痛みや頭の痛さに使うのはこちら。
この時期、家に常備しておきたい漢方薬の一つです。


サンワロンM
=麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

こちらは、附子(ブシ=トリカブト)入りの処方。
寒さや冷えからくる風邪の初期症状に使います。
寒暖差によるアレルギー症状にも◎
涼解楽と併せて、常備薬にしたい方剤です。


参茸補血丸(さんじょうほけつがん)

補腎薬の一つ。
鹿茸(ろくじょう)という鹿のツノの生薬が使われています。まだ大人になる前の鹿のツノには血管が走っており、細胞の新陳代謝が活発です。
腰回りもしっかり温めてくれる、女性の強い味方です。


参馬補腎丸(じんばほじんがん)

補腎薬の一つ。
海馬(かいば)と呼ばれるタツノオトシゴが入っています。滋養強壮に用いられることが多い生薬の一つです。
疲れやすく、胃腸の弱い方にはおすすめです。
また、明け方にお腹を下しやすいような方にも。


年末年始は、暴飲暴食にも走りやすいです。
今日はクリスマスだからとケーキやお酒を飲む方も多いかもしれませんね。
体に良い食材を摂るのも大事ですが、よくないものを取らないようにするだけでも、十分だったりしますので、皆様どうぞ、飲み過ぎ食べ過ぎにはご注意ください。

そして、どうぞ良いお年をお迎えください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!