神農廟と燥邪

皆様こんにちは!
今年は秋が長い感じがしていいですね。
昨日、今日と、ちょうど良い暖かさの日が続いております。
明日からは気温が下がるようなので、お気をつけください。

さて、今回は神農廟へ出かけてきましたので、神農さんにまつわるお話しと、秋の咳のお話しです!

ちなみに、山の上ホテルをご存知でしょうか。。?
来年2月13日には全館休業してしまう予定の、名建築です。
神農さんに会いに行ったついでに、こちらにも寄ってきました。なので、ちょっと私の趣味のお話も入ってます。
ご興味のある方は最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

・日本の七十二候で見る今ここ〜神農廟へ〜
・山の上ホテル
・燥邪と秋の咳
・この時期のお助け漢方薬

日本の七十二候で見る今ここ〜神農廟へ〜

小雪 初候 虹蔵れて見えず(虹を見かけることが少なくなる頃。)
新暦ではおよそ 11月22日〜26日ごろ

毎年、11月23日 勤労感謝の日には、湯島聖堂にある神農廟が開廟される、神農祭が開かれます。
今年は祭りはなかったのですが、廟は開かれるとのことで、神農(しんのう)さんにお目にかかってきました。
正直、この業界もう13年になるのですが、今回ようやく行くことができました。

神農とは

古代中国の伝説上の帝王である三皇(伏義・神農・女媧)の一人です。
中国古典籍によると、初めて農具(鋤・鍬)を作り農耕を人民に教えたといいます。
また、人民が病気で苦しんでいるのをみて、百草を嘗めて医薬を作り、さらに、農作物などと他の物品を交換する市場を設け、交易を教えたといわれています。

日本では、江戸時代から医薬の始祖として、東洋医学者の尊崇を集めてきましたが、交易の神としての神農も商業に携わる人々の間で根強い人気を博し、商業神として現在も各地で祀られています。

出典:湯島聖堂 神農廟パンフレットより

こちらが神農さん。
すごい出っ歯だし、ツノが生えてます。もはや人ではない。
炎帝とも呼ばれ、彼のエレメントは火。
中国は、歴代皇帝も「木・火・土・金・水」の五行によって巡っているので、この人の次の皇帝が、中医学の原典でもある黄帝内経(こうていだいけい)の黄帝さんです。黄色は土のシンボルカラーなのです。
おそらく中国各地の研究者たちが残した、薬効のある植物・動物・鉱物などの記録を一つにまとめた、中国最古の薬物書が神農本草経と言われています。
編者も成立年代も明らかではありませんが、神農の伝説にあやかってこのタイトルが付けられたようです。
私もこれまでとてもお世話になってきました。
薬の神様の中でも、絶対にご挨拶をしておかなければとずっと思ってたので、ようやくお目に描かれて光栄でした!

ちなみに、こちらは神農廟の扉のレリーフです。
描かれている薬草は、私がわかったのは芍薬と当帰くらいでした。
とても美しいレリーフです。素敵。

そして、お向かいの神田明神からご挨拶に来ていた神馬。小ぶりで可愛い。

普段は入れない領域なので、ご興味のある方はまた来年、ぜひ尋ねてみてください!

山の上ホテル

川端康成さん、三島由紀夫さん、池波正太郎さんをはじめ、田辺聖子さんや山口瞳さんら数多くの作家の方々に愛されたホテル。
このアール・デコ様式の建物を設計したのは、アメリカ人建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ。

個人的には、この階段のタイルや

階数を表すステンドグラス風の文字盤など、いちいち憎いなぁと感じます。
本当はカフェでプリンアラモードを食べたかったのですが、満席&待ちのお客さん多数とのことで、ご案内を終了されてました。
休業までに行けたらまた行きたい。。

入り口にはツリーが飾られていました。

この日は友人と、ここ以外にも色々と歩き回った1日だったのですが、なんと2万歩も歩いていました。
そして、靴はすごく大事だなぁと改めて感じたのですが、そんなに歩いたのに、足がだるくなることもなく、一日経った今日も筋肉痛などにもならずに元気に過ごしております!
アディダスのランニングシューズなのですが、走り方とか歩き方をみてもらって購入したものです。
もしこれが適当なスニーカーだったらきっともっと疲れていたに違いない。

足の形に合わせることも大事だけど、歩き方の癖というものがあるので、そこをきちんと考慮して靴を選ぶということは、とっても大事だなぁと改めて実感いたしました。

燥邪と秋の咳

夏頃からずっと、色々また流行っておりましたが、秋になってくるとやはりその性質が少しずつ変化していきます。

湿度の高かった夏に比べて、秋は急に乾燥しますよね。
中医学の世界では、季節によって体に害を及ぼすくらい強くなる自然界の気を六淫の邪(ろくいんのじゃ)と呼びます。乾燥の燥邪も、特に秋にしか存在しないのではなく、他の気と同様に、常に自然界に存在しています。
しかし、春には春一番や春の嵐の言葉の通り「風邪」が強まり、梅雨は湿度の「湿邪」が、夏には暑さの「暑邪」が、秋には乾燥の「燥邪」が、冬には寒さの「寒邪」が強まります

六淫の邪(ろくいんのじゃ)
風邪(ふうじゃ)
・寒邪(かんじゃ)
・暑邪(しょじゃ)
・湿邪(しつじゃ)
・燥邪(そうじゃ)
・火邪(かじゃ)

火邪は炎症や熱感をともなう症状を引き起こす存在です。春のアレルギー症状なども当てはまるところがありますし、風邪をひいたときに喉が強く腫れたりするのにも影響しています。
そもそも、「風邪(かぜ)をひく」の「風邪(かぜ)」とは、この中医学の考えである六淫の邪の風邪(ふうじゃ)が由来です。

この風邪(ふうじゃ)は、実は特攻隊長で、他の邪を引き連れて体の中に入ってくる役目をしています。
この人は体の中を駆け巡ったらあとはさっさと出ていきます。
どこから入ってくるかというと。。

ですから、皆様ここをしっかりと塞いでください!
スースーさせたりなんかすると、すぐやられます。
風邪の引き始めは肩のあたりがごわつく感じや肩が凝るような感覚になることもあるかと思いますが、この風門が通り道なのでここ近辺の筋肉を硬くして、それ以上入ってこないように、体が予防線を張るのです。

そして、秋の風邪は燥邪と共にやってくるので、潤すことが大切。保湿です。

秋は肺が弱りやすい季節です。
この時期にひく風邪は引きずりやすく、咳だけが残るという人も多いです。

実際、そういう訴えが増えてきています。

また、便秘がちな方も要注意です。

肺は大腸と表裏関係にあたります。
大腸の詰まり(乾燥など)がある場合、肺をいくら補益しても咳が良くならないということもよくあります。

つまり、甘いものの食べ過ぎや、お酒の飲み過ぎ、加工食品の食べ過ぎなどで腸を痛めないことも大切です。

この時期のお助け漢方薬


余甘子(よかんし)と呼ばれる、アーユルヴェーダでも昔からよく使われてきた生薬が入っています。
ミントも入っているので、スースーすっきり!
泡になる剤型なのでシュワシュワします。
職場や移動中の乗り物の中など、乾燥が気になる時におすすめです。


スースー系が苦手な方にはこちら。
以前もご紹介したかもしれませんが、百合根が使われている商品。白湯に溶かすと少しとろみもあり、自然な甘さもあって、優しく保湿してくれます。
板藍茶とのセット使いも◎


予防の予防で、とりあえずマスク&こまめなのど飴で乗り切る!というのもアリかと。

お茶もあります!
これでうがいするのもあり!
百潤露とのブレンドも良いです。
もちろん、白龍散とのブレンドでもOK!


この時期の風邪は、ぶり返しやすく、長引かせると春の花粉症の時期にまた炎症が吹き出してきますので、しっかり対策&養生をして、どんな季節も元気に過ごしましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました(^^)