#35 烏梅(ウバイ)-生薬になる植物ノート-

★Instagramより抜粋★

————————

Note.35 #烏梅 (#ウバイ )

————————

●基源
バラ科 #ウメ (#梅 )
Armeniaca mume(Siebold et Zucc.) de Vriese
別名:#春告草 (ハルツゲグサ)
#好文木 (コウブンボク)
#風待草 (カゼマチグサ)
#匂草 (ニオイグサ)
#香散見草 (カザミグサ)
#香栄草 (コウバエグサ)
#初名草 (ハツナグサ)

●産地と分布
中国中部の原産

●花期
2~3月

●薬用部位
未熟果実をくん製,または蒸してさらしたもの

————————

●生薬ランク(神農本草経)
中品

●生薬分類
固渋薬(収渋薬)

●性味
酸・渋/温性

●帰経
肝・脾・肺・大腸

————————

●成分
有機酸(citric acid, malic acid, succinic acid)

●薬理作用
抗菌作用(真菌), 消化液分泌促進.

●臨床応用
清涼性収斂薬として, 鎮咳, 止瀉, 去痰, 鎮嘔, 解熱に応用する. 駆虫薬にもする.

●頻用疾患
咳嗽, 下痢, 回虫, 血尿, 不正性器出血, 口渇, 食欲不振

●薬能
斂肺, 渋腸, 生津, 安蛔, 肺虚久咳, 久痢滑腸, 虚熱消渇, 蛔厥, 嘔吐, 腹痛, 胆道蛔虫症に用いる.

●配合と禁忌

————————

■花言葉
・上品
・高潔
・忍耐
・忠実

————————

◆この生薬が使われている当庭の取り扱い商品
なし

————————

*Memo*
漢方では燻製にした未熟果実を下痢止め,止渇,回虫駆除薬として用いる.
漢方処方では椒梅湯,杏蘇散などに配合される.

民間では様々な用い方がある.

カゼの解熱に梅干と少量の醤油,ショウガの搾り汁を熱湯に注いで服用する.

同様の症状に,生の果実をすり下ろし,布で濾した汁を煮詰めて黒い飴状になったもの(梅肉エキス)を作り,豆粒量を湯の中に落とし一日数回服用する.

食べ過ぎで吐かせたいときには杯2杯の梅酢を一度に飲ませる.鎮咳去痰に粉砕した梅干の種子と砂糖を加え飴状に煮たものを服用する.

未熟な果実を収穫して放置すると青酸ガスを放出して中毒することがあるため,換気を心がける.

果樹として広く栽培される.

(出典:伝統医薬データベース, 熊本大学薬学部植物データベース)

—————–∞—————–

梅仕事の季節ですね。スーパーにも並んでいる青梅。
私はまだ一昨年作ったものが残っていることを言い訳にして、今年は何もしません。

こちらの梅は、お寺の中にあったもの。
個人的に長年ご縁を感じ、心の氏神としている三峯神社が入っているお寺だったので、ご挨拶してきました。
三峯神社と群馬県の榛名神社が一緒のお社に入っているなんとも珍しいパターン。

きちんと清掃が行き届いていて、空気が澄んでおりました。

梅の青が清々しい。

今朝、マンションの入り口でヤモリが息絶えておりました。
今年は凍える時期に、道端で亡くなって間も無い四十雀を、人生で初めて埋葬したのですが、
今度はヤモリか。。と思わずつぶやく。。

通り道のど真ん中にいたので、他の住人の方々とこのヤモリのために、やはり私がひと肌脱ぐことにいたしました。(大げさ)
幸い、近くに大きな公園もあるし、大きな木の根元に埋めてあげられます。
ヤモリはブラックフェアリー(皆様の想像力に期待)を食べてくれますし、吉兆とも言われます。
オオヤモリは蛤蚧(ゴウカイ)という生薬にもなります。
お世話になっているヤモリさん、安心して眠ってください。

時に、植物の死は穏やかなことが多い気がします。
多分彼らはほとんど移動ができないから、初めからその環境でどう生きるかしか考えないからかもしれません。なんというか、自らの生を受け入れる体制が出来上がっている。
そもそもそんなこと考えもしないのかもしれませんが。。

食物連鎖のピラミッドの上に行けば行くほど、自らの意思で長い距離移動し、考えるようになります。
すると死は、そんなに穏やかではなくなる気がします。
それは「選べる」からかもしれません。

そして、人は選択肢がほとんどないと思った時に絶望しやすい生き物だと、個人的には思います。
でもそれは、狭くなった自分の視野がそうさせているだけのこと。
本当は常に自由であるのに。できない理由を探しているのは自分自身だということに気が付けば、
その逆で、どうしたらできるかを探すことができるのもまた自分。

梅とヤモリが、私に考えさせたことでした。