二番花と春の養生

去年の11月から、ヒヤシンスを水耕栽培してせっせと育てていました。
1月に出回る少し芽の出たものを買われた方が育てやすいのですが、私はただの球根状態から育てました。

根がうまく張らなかったり、球根の底にカビが生えたりしましたが、なんとか無事芽が出て花を咲かせてくれていました。(お店に来てくださっているお客様の中には、目にしていただいた方も多いと思います。)

そして先日、ついに枯れ始めました。
まだ春が訪れたばかりだというのに、もう枯れてしまうのかと少し残念に思っていたところ、茎の付け根あたりにフキノトウのようなゴツゴツした塊を発見。

なんと、もう一本生えてきたのです。

二番花と言うそうです。
条件や理由などは明確にはなさそうですが、大きめの球根だと二番花が出やすいのだとか。

私は黄色のヒヤシンスを選びましたが、クリームイエローの優しげな黄色でとても爽やかです。
香りも良く、春が来たのだなぁと嗅覚からも感じられます。

春は発陳(はっちん)の季節です。
このヒヤシンスだけでなく、多くの植物が芽吹きますね。
発陳とは

「春陽上昇とともに潜気発散し、天地の間に万物みな発生す」

わかりやすく言うと

「冬の間表に出ることなく溜め込んでいたエネルギー、また、身を潜めていた思い、考え、想像を春陽とともにどんどん行動して、発散させること」

と言う意味です。
「陳(ちん)」とは「古い」と言う意味です。陳皮(ちんぴ)というみかんの皮の生薬がありますが、陳皮は古ければ古いほど価値が高いとされています。

このことから、春の養生としては


①就寝がいくらか遅れても良いが、朝は早目に起きて、春の朝日を身体いっぱいに浴びて散歩すると良い。
②髪の毛は強く縛ったりせずに緩めて、服装もゆったりとしたものにし、体全体を自由にしておくこと。
③心中の意欲を起こし、育てる。そして起こした意欲はのびのびと成長させて、抑えつけてはならない。
④生長に役立つものは全て施すべきであって、奪ってはならない。(この中にはやる気のある人の考え方や行動も含まれる。)

といったことが良いと黄帝内経には書かれています。

ヒヤシンスは冬の間2回も花を咲かせるだけのエネルギーをためていました。
みなさんはいかがですか?

エネルギーと一口に言っても、そこには毒素も含まれます。
この時期に噴き出すエネルギーは場合によっては「炎症症状」と言う形をとることもよくあります。
つまり春はさまざまな意味において「デトックス」する時期でもありますので、エネルギーコントロールを上手にして、不要なものは上手に吐き出し、必要なエネルギーはきちんと成長につなげていきたいですね。

中国では旧正月を大切にします。
一年の切り替わりは2月ということになります。

そう言う意味では、春こそ切り替わり、新しい一年のスタートするタイミングになります。

私もこのヒヤシンスのように、今年も名一杯花を咲かせたいと思います。