乞巧節 -きっこうせつ- と「残暑の養生」

毎日暑い日が続いておりますが、皆さま元気にお過ごしでしょうか?
私はこの暑さの中、毎日片道40分(往復80分)自転車を漕いでおります。。
(もちろん、麦味参と冠元顆粒はしっかり飲んでいるので元気です)
もう、この夏を越せたら怖いもの無しですね!と先日お客様にも言われました。
私もそう思います。。
もはや、富士山にも準備なしに登れそうな勢いです!

今回は、

  • 日本の七十二候でみる「今ここ」
  • 麦味参と残暑の候
  • 2種類の熱中症と秋バテ予備軍
  • この時期のお助け漢方薬

といった内容になります。
残暑の期間は疲れが滲み始めます。夏を最後まで元気に過ごせるよう、ぜひご参考くださいませ。

日本の七十二候でみる「今ここ」

Discover Japanより 仙台七夕

日本には、四季と呼ばれる春夏秋冬以外に、二十四の季という季節、七十二もの候という季節があり、旧暦をもとに暮らしていた時代には、人はそうした季節の移ろいを細やかに感じ取って生活していました。

それでは今日、今ここはどこに当たるのか…

今年の立秋は本日、8月8日です。
立秋とは思えない!と思われる方も多いかもしれませんが、空は既に秋模様を描いております。
(タイトルの空の写真は秋特有の鱗雲です。先日お店から撮影しました。)

旧暦では七夕は今頃を指します。
私は仙台出身なのですが、この時期は七夕まつりで仙台の街が一年で一番賑わいをみせます。
初めて東京の渋谷に行った時、スクランブル交差点の人々を見て、一緒にいた友達に「今日はお祭りがあるの?」と尋ねてしまったことがあります。
渋谷では日常レベルの人混みですが、仙台では七夕まつりの時だけです。笑

そんな仙台七夕も、今年4年ぶりに行われており、200万人の人出が見込まれるそうです。

そもそも七夕は中国では乞巧節と呼ばれ、中国神話に登場する牛郎と織女の逢瀬を祝う中国の祭りです。
機織りが上手な織女にあやかり、織物や針仕事の上達を祈る行事「乞巧奠(きこうでん)」が旧暦7月7日に行われていたということ。
日本にもこの時期に、人里離れた水辺の小屋にこもり、乙女が祖霊に捧げる布を織る風習があり、布を織る乙女のことを「棚機女(たなばたつめ)」と言い、七夕の読み方のもとはこの乙女の呼び名に由来するそうです。
この風習は夏の水不足から作物が守られるように、夏の疫病から人々が守られるようにと、祖霊に祈る風習だったそうです。
日本の七夕は、この布を奉げる風習と、中国から来た「乞巧奠(きこうでん)」が合わさった行事と考えられています。

仙台七夕は、伊達政宗が女性に「日ごろの労働の苦労をねぎらい、楽しみを与える」という意味から盛大に行うようになったと言われていますが、その理由は当時女性の仕事であった機織りと七夕という行事が深い関係にあったからということです。

政宗さん、粋ですね!

麦味参と残暑の候


この夏もCOVID‑19に罹患する方がいらっしゃいましたが、ここまでかからなかったのに、梅雨時期から夏にかけてかかる方がまた増えました。
そして、ワクチン接種している方としていない方とで明らかに差があったのは、接種していな方はほぼ確実に嗅覚味覚障害を発症しているということです。
私にご相談くださった方々を見ると今のところ、100%の確率でそうなっております。
正しく対処すれば、長引かせることなく回復させることができるのですが、残暑の頃になってくると知らないうちに暑さによる消耗が体に蓄積されてくるので、麦味参はとても重要なアイテムになってきます。
(嗅覚味覚障害に対してのメインの漢方薬はまた別ですが。。)

麦味参は
・人参
・麦門冬
・五味子

の3つの生薬で構成されています。構成数が少ない分、生薬1味当たりの量が増えるので、切れ味の良い薬になるといえます。
元は生脈散(しょうみゃくさん)という処方名で、「宗気(胸中の気)を養う」ことで体の元気を補うとされています。宗気とは心肺機能を指すと考えられ、心肺機能を高めて脈を生むという意味の処方名になります。

小暑の時期から夏の暑さに体が慣れて、上手にバランスを取ることができるようになっていれば良いですが、残暑の頃になると気がつかないうちに消耗していた分のダメージが効いてくるようになります。
口の渇きや喉の痛み、かすれ声などが症状として出てくることもあります。
また、なんだか喉がむず痒い感じがして、癖のようにして咳が出るなどといった症状になることもあります。
さらに、暑さで夜もエアコンを切ることができず、知らず乾燥していた…ということも起こりやすいです。

麦味参に配合されている五味子は、潤肺止咳の効果があるとされています。
そもそもは収斂作用と言って、毛穴を引き締める働きがあるのですが、これは無駄に津液(汗や涙などの体液)が流れ出るのを防ぐ働きになります。麦門冬のような体の陰分を補えるものと併せると、相乗効果でより潤せるようになるので、エアコンなどの乾燥にもよいですし、人参により元気もつけてくれるので一石二鳥。
また、汗切れも良くなります。
これは、私が自分で飲んでいて体感したことですが。。
ダラダラといつまでも汗をかくということがなくなります。

2種類の熱中症と秋バテ予備軍

ご存知の方も多いと思いますが、熱中症には2種類あると言われています。
・脱水型熱中症
・水毒型熱中症

たくさん汗をかいた時や、ご高齢の方で体の保水力がだいぶ落ちてしまっている方はある程度意識した水分補給が重要ですが、冷房の効いた部屋にいるのに冷たいものをガブガブ飲んでしまっている方は、その水を処理できずに、まるで体の表面を冷たいラップで覆ったようになってしまい、体内の熱が代謝できずに熱中症になることがあります。
意識してほしいのは、体が本当に水分を欲しているかどうか
体にだるさはないか食欲はどうか

世界的に見ても、和食は水分量のとても多い食事と言われています。
きちんと和食中心の食事を摂っていれば、わざわざ意識してたくさん水を飲まなくても十分摂取できます。
前回、食事の温度の話をしましたが、それも大事です。

医師が言っているから正しいということではなく、自分の体の声にきちんと耳を傾けて、判断できるようになっていただければと思います。

また、9月下旬頃から発症する人が多発する、「秋バテ」をご存知でしょうか?
これは夏の間の消耗が原因と言われています。
中医学的には、秋は燥邪の季節。夏にたくさん津液(体の栄養価の高い体液の総称)を消耗した方は、知らず乾燥した空気にやられて、だるさや食欲減退、そこからアレルギー症状や長引く咳などの症状が出ます。
秋は最も肺が弱る季節です。秋に必ず皮膚や粘膜が荒れる方は、今のうちから体調を整えるように意識すると良いでしょう。

夏に熱中症の症状が出た方や、風邪をひいた方などは特にご養生ください。
乾燥してるかも…と気づいた時にはちょっと遅い可能性があります。

その季節を元気に過ごすには、前の季節にどれだけ養生できたかがポイントと言われています。
暑さが嫌で嫌でたまらない方、暑さがそんなに嫌じゃなくなれば、体は元気だといえると思います。
脳と体が分離している忙しい方も、要注意です。

前回の記事に書いた食事の温度に気をつけることと、湿を溜める食材の取りすぎにご注意くださいませ。

この時期のお助け漢方薬

①麦味参(ばくみさん)

やはり、麦味参。
残暑の時期は麦味参で潤いをキープしつつ、夏の暑さによる消耗をしっかり防いでおくと、次の季節への移行もスムーズですし、夏の養生ができていれば、秋は快適に過ごせるはずです。
欲を言えば、麦味参を飲みながら運動して体力をつけると尚良しです。
特に肺が弱い方はお気をつけくださいね!

②冠元顆粒(かんげんかりゅう)

私が麦味参とセットで飲んでいるのがこちら。
中医学では、健康維持のための血管力を高めるのには、血液の量、質、流れる力が重要と捉えています。
血管の弾力性が足りていなければ、体の隅々まで栄養や酸素を送ることができません。
また、残暑の時期に多い、夏の暑さによる消耗などで血液がドロドロになると流れも悪くなります。
極端なドロドロ状態は熱中症の状態でもありますので、麦味参とセットで飲むことでより元気を維持しやすくなります。

他にも、胃腸症状が出る方もいらっしゃいますし、咳の症状へつながってそちらが悪化するパターンも多いです。特に咳はこれからの向かう秋に一番多くなる症状なので、今のうちからしっかり養生しておくと良いでしょう。
気になる症状があれば、早めにご相談くださいね。