翡翠 -カワセミ-

毎朝、有栖川宮記念公園を散歩しながら出勤しているのですが、今朝はいつもより少し早めに通りました。

早め(とはいえ9時過ぎくらいですが。。)だからか、人影があまりなく、マスクも外してとても開放的な気分で歩いていたところ。。

岩の上にちょこんと乗った、なんとも美しいターコイズブルーが目に留まりました。

初めはなんの鳥かよく分からず、写真を撮ってから検索しました。カワセミという鳥でした。そして、カワセミとは翡翠と書くことを知りました。

ちなみにこの翡翠という文字、「翡」がオス、「翠」がメスのカワセミをそれぞれ表すそうです。
同じような成り立ちの鳥の名前に鴛鴦(オシドリ)があります。こちらはカモ科で見た目はカモさんですが、この鴛鴦という漢字も「鴛」がオス、「鴦」がメスを表しています。

そしてここからは想像上の生き物ですが、鳳凰も「鳳」がオス、「凰」がメス。麒麟も「麒」がオス。「麟」がメスを表します。
鳳凰や麒麟は古代中国の人々にとって徳の高い君子が天子の位につくと出現するというめでたい禽鳥(きんちょう)と考えられたそうです。
翡翠のように雌雄二文字で名を表す鳥は少なく、禽鳥クラスの特別な鳥という扱いであることが伺えますね。

そんな謂れもあってか古代中国の人々にとって、翡翠の羽は宝石などと同等の価値があったようです。
中国で宝石は玉(ぎょく)と呼ばれますが、特に翡翠が珍重されたため、玉は翡翠(ヒスイ)を意味する言葉でもあります。
歴史的に見ると、この名を冠したのは鳥の翡翠が先で、宝石の翡翠が後となります。

夏に見た玉虫もとても美しかったのですが、翡翠もまたとても美しく、この日はなんと2羽も見かけることができました。警戒心の強い鳥とされているようですが、結構直近で見ることができました。

有栖川宮記念公園はそんなに広くて大きな公園というわけではないのですが、深さがあり、小さな森のような趣があります。秋の紅葉が美しいこの時期に翡翠を見ることができて、清々しいパワーをもらえたからか、今朝はとても良い気分で仕事を始めることができました。

鳥つながりでもうひとつ。お店から見える愛育クリニックの木々にはオナガという鳥もよく遊びに来ます。
私はこのブルーグレーの鳥もとても美しくて好きです。