黒龍神と虹蜺 – コウゲイ –

最近はInstagramの方で展開している趣味が楽しくて、そちらの更新にかかりきりになっておりました。
ここ最近は晴れたり雨が降ったり、お天気が変わりやすいですが、気候的には気持ちの良い季節になってまいりましたね。

先日の日曜日、雹に見舞われた方はどのくらいいらっしゃいますか?
私は世田谷の自宅にいたのですが、急に空が暗くなり大粒の雨の音がしたので、干していた洗濯物を慌ててしまおうとベランダに出たところ、降っていたのは雹でした。
大きさは10mm程度でしょうか。そんなに大きくはなく、あっという間に大粒の雨に変わったので特に気が付かなかったという方も多いかと思います。

局地的な降り方をしたので、人によってはアンラッキーな思いをされたかもしれません。

でも私は、もはや自ら雨にあたりに行くくらい、嬉しい気持ちでいっぱいでした。

なぜなら、その前日の土曜日、私はお店の氏神様である廣尾稲荷神社へお参りしたばかりだったからです。

【廣尾稲荷神社の御由緒】
 慶長年間徳川第二代将軍秀忠公の勧請と伝えられる。此の頃麻布広尾辺は萩の名所で当社の俗称「ハギナメ稲荷」は可憐な萩が地をナメル様に咲き乱れていたことによる。
 社殿は木造明神造り、御神体は木造翁の立像。商売繁昌、五穀豊穣、火伏の神として信仰を聚めている。
東京都神社庁より

ここの拝殿は江戸時代のもので、天井には高橋由一による黒龍の水墨画が残されています。
高橋由一が洋画家となる前の20歳前後の若い時代の作品で、現在は港区指定有形文化財となっています。

高橋由一(たかはしゆいち)
日本で最初の洋画家とされ「日本近代洋画の祖」とも云われる人物。
代表作は重要文化財『花魁』や『鮭』など。

実は今年の初め、お正月にお参りしたのは、麻布氷川神社とこちらの廣尾稲荷神社でした。
ですがその時、この水墨画の存在に気が付かず見逃しており、たまたま何かで水墨画のことを知ったので早速次の日行って見ることにしたのでした。

土曜は朝から雨でしたが、雨と龍は深い関係がありますのでこれは良い兆候だと勝手にほくそ笑んで向かいました。
そして案の定、参拝者は誰もおらず、1人でゆっくりと眺めることができました。
水墨画と龍の相性ってすごくいいと思うのです。
龍という生き物を描くときに一番適した表現方法ではないかなぁ。。
あの天才絵師と呼ばれる北斎の龍も素敵ですが、こちらの龍も目力が強く天井が狭そうに感じました。

そんな龍との出会いの次の日、今度は雹が降り、そしてなんと。。

ダブルレインボー!!

そしてよく見ると交差して薄く他に2本くらい虹が出ているので、合計4本。。

古代中国では、虹は龍や蛇の一種と考えられていました。

そして、この生き物を虹蜺(コウゲイ)と呼びました。

虹蜺の二文字は、それぞれ

「虹」→「雄(オス)」
「蜺」→「雌(メス)」

を指します。

鋭い方はお気づきになったでしょうか?以前こちらのブログで翡翠について書いたときに同じ話をしましたが、鳳凰も「鳳」がオス、「凰」がメス。麒麟も「麒」がオス。「麟」がメスを表します。
鳳凰や麒麟は古代中国の人々にとって徳の高い君子が天子の位につくと出現するというめでたい禽鳥(きんちょう)と考えられたそうです。

この空想上の動物シリーズには、虹の龍も含まれるのです。

雌雄一対で名前がつく特別な生き物であることと、ダブルで見られたという奇跡。。

龍神にお参りした次の日に、こんなに素敵な龍に出会えるとは、絶対願いが叶うに違いない!
と思い、私はベランダで雨に打たれながら喜びに満ちておりました。

ちなみに、この虹が出る直前の雲がこちら。

なんか龍に見える。。と思うのは私だけでしょうか。。

今日は中国の文化についてのお話でした!
(半分以上虹が見られて嬉しかった話です!)

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